臨床検査振興協議会

心臓の検査

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心臓の検査

どこにあるの?

心臓は人の体の胸部中央でやや左よりに位置します。大きさは大人の握りこぶしくらいで、重さは200~300gくらいです。

働きは?

心臓は、血液を全身に送るポンプの働きをしています。心臓は筋肉の塊で、4つの部屋に分かれた臓器です。心臓は筋肉(心筋)を動かすことで、全身に血液を送り出します。心臓の筋肉が、秩序ある動きをすることで、効率よく血液を送り出しています。
なお、心臓を動かすのに必要な酸素や栄養を心臓に送る血管を冠動脈と呼びます。この血管は心臓の表面を走っています。

心臓と病気

心臓がポンプとしての機能を十分に果せなくなった状態を心不全と呼びます。心不全の原因には、冠動脈がつまり心筋が障害される(狭心症や心筋梗塞)、心臓の秩序ある動きが崩れる(不整脈)、高血圧によって長期間心臓に負担がかかるなどがあります。心不全の症状は、その原因によって違いますが、代表的なものには、胸痛、息切れや呼吸困難、動悸、疲れやすい、手足のむくみなどがあります。

心臓の血液検査には次のようなものがあります。

心臓への負担の大きさを反映する検査

  • BNP (脳性Na利尿ペプチド)
    BNPは心臓に長時間負担がかかったときに、主に心室から分泌されるホルモンです。心臓への負担が大きいほど、高くなります。
    健常者の一般的な検査基準値としては18.4pg/mL以下と言われていますが、35pg/mL以上~100pg/mL未満であれば前心不全、または心不全の可能性があり、BNPが100pg/mL以上の場合には心不全の可能性が高く、心臓疾患のための精密検査を行ったほうがよいとされています。
  • NT-proBNP(N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド)
    NT-proBNPは、BNPと同様に心臓の負担の大きさを示す指標ですが、BNPよりも高い濃度で血液中を循環するため、早い時期の心不全を見つけやすい検査です。また、NT-proBNPは腎機の機能が下がった時にも高くなります。NT-proBNPが125pg/mLを超えた場合、精密検査を行うことが望まれます。
  • ANP(心房性Na利尿ぺプチド)
    ANPもBNPと同様に心臓に負担がかかった時に、上昇します。43.0pg/mLを超えた場合に心臓への負担がかかっていると判断されます。

心筋障害を反映する検査

  • TnT (トロポニンT )
    TnTは心筋に多く含まれているので、心筋梗塞など心筋が障害を受けることによって、血液中に漏れ出て血中濃度が高くなります。 主に胸痛発作がある場合や、心筋梗塞などを疑った場合に検査されます。
  • TnI (トロポニンI )
    TnTと同様に心筋に含まれる成分で,心筋梗塞の初期に血液中のcTnIが増加するため、心筋梗塞を疑った場合に検査されます。


同様の目的で検査される項目には、 CK-MB、 H-FABP(ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白)、Mb(ミオグロビン)などがあります。

血液検査以外の検査

心臓の機能は、血液検査だけではなく、いろいろな画像検査の結果も合わせて診断されます。

心電図検査

心臓の筋肉は秩序ある動きをしていますが、これは心臓の筋肉の中をかすかな電気が規則正しく流れ、筋肉が興奮し、拍動を起こしているからです。この心臓の電気的な活動をみるのが心電図検査です。不整脈や心筋梗塞、狭心症発作の診断に役立ちます。

心臓超音波検査

心臓に超音波を当てて、心臓の大きさ、形、動きなどをみます。
心電図や血液検査などで異常が見つかった時、更に詳しく調べるために行われる検査です。

その他、冠動脈造影CT検査などもあります。

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