尿を用いる検査は大きく分けて4つあります。
尿を用いる検査は、それぞれの項目に応じて尿の採取方法が異なります。採取方法が分からない場合、医師、看護師、臨床検査技師にご確認下さい。
尿一般検査
試験紙を用いて、糖や蛋白 質の有無を調べます。また、顕微鏡で尿中の細胞や結晶、細菌の有無を調べます。
尿生化学検査
クレアチニンや電解質、蛋白質、糖など尿中の成分量を調べます。 蛋白質や糖については尿一般検査よりもさらに詳しく調べます。尿をためて行う場合もあります。
微生物検査
膀胱や尿道などの細菌感染が疑われる場合、細菌の有無や種類を調べます。
細胞診
顕微鏡で尿中に腫瘍細胞などがないか調べます。
尿一般検査はこのような項目を行っています。
蛋白
腎炎、ネフローゼ症候群など腎臓に異常がある場合に陽性と なります。ただし健常者でも陽性となることがあります。
糖
糖尿病など血中の糖が高い場合に陽性となります。 そのほか血糖値は高くないのに、腎臓の異常により陽性となる場合もあります。
ケトン体
脂肪の代謝によってつくられる物質です。下痢、嘔吐、糖尿病などで陽性となります。
潜血
尿中に血液が混じっていないか調べます。
陽性の場合、腎炎、膀胱炎、結石などによる出血が疑われます。
はげしい運動によっても陽性となることもあります。
尿検査の提出時に注意することは?
- 尿の出始めは分泌物などが含まれることがあるため、容器に取らずに捨てていただき、中間の尿を採取してください。
- 女性の方で生理中の場合、正しい検査ができないので 診療科もしくは検査室にお知らせください。
- ビタミンCの服用は正しい検査ができなくなるため検査の前日及び当日は控えてください。
ご自分でも尿検査は可能です
尿試験紙は市販されており、ご家庭でも尿検査は可能です。使用方法は試験紙に尿を付け、チェック表で決められた時間内に色を確認するだけです。
尿は健康のバロメーターとなります。尿の色や混濁度、におい、尿量、トイレの回数だけでもいろいろなことが分かりますよ。
色、混濁
血の混じったような赤や褐色だったり混濁する場合、血液、細菌、結晶等が混じっている可能性があります。
におい
尿が甘酸っぱいにおいの場合、糖尿病の可能性があります。
尿量
尿量が極端に少ない場合、もしくは多い場合、腎臓や内分泌代謝になんらかの異常がある可能性があります。
トイレの回数
トイレの回数が多い場合、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、尿路結石などの可能性があります。