喀痰(かくたん)の検査とは
痰を採取してその中に病的な細胞や成分、あるいは細菌などが含まれてないかなどを顕微鏡で観察します。
この検査は、呼吸器の病気の診断には不可欠です。痰は呼吸器系の粘膜から分泌される粘液で、その中には、肺や気管支、咽喉・喉頭等などの気道からはがれた細胞が含まれます。
これらの細胞に異常があったり、細菌、ウイルス、血液成分などが混じっていたりすると、痰に変化があらわれます。
すなわち痰を調べれば、肺や気管支などの呼吸器の異常を知ることができるのです。
喀痰を採るときの注意点
喀痰を採る前には、うがいをしてね
口の中の雑菌や細胞が混じることを防ぐためです
痰は渡された容器に直接出してください
テッシュ等の紙でとらないでください
(紙に痰が吸い取られて検査できません。)
喀痰を用いた検査には何があるの?
喀痰を用いた検査には以下の2つがあります。
1.細菌検査
2.細胞診検査
1.細菌検査
肺炎や気管支炎の原因になっている細菌や真菌(カビ)などを見つけます。この検査には2つあります。
1つは採取した痰をガラス板に塗りつけて、顕微鏡で菌を見つける検査です。もう1つは培養で菌を増やし、菌の種類を確認する検査です。普通の菌の培養には2~3日、結核菌は2ヶ月ほどかかります。
痰のなかに菌が見つかったらどうする?
喀痰の細菌検査では、感染症の原因となる菌が見つかれば、その菌に効く薬はどれかを試験して、治療薬の決定に役立てます。
2.細胞診検査
痰に混じった細胞を顕微鏡で調べ、がん細胞や炎症、アレルギー等を疑わせる細胞がないかどうか調べる検査です。
痰を調べる代わりにブラッシングといって、気管支内視鏡を入れて粘膜を擦り取り、それを顕微鏡で調べることもあります。また気管支内を水で洗ってこれを集めて検査することもあります。
痰にまじった細胞の何をみるの?
- ① 顕微鏡で細胞をみて、悪性の疑わしさの程度によって5段階に分類します。
- ② 悪性の疑わしさが高い(がん細胞が疑われた)ときは、CTや超音波検査などの画像診断を含む精密検査へと進み、それらの結果から総合的に診断されます。